花粉症

花粉症

 

治療の基本は抗アレルギー薬の内服や点眼、点鼻などの局所投与、アレルゲンからの回避(マスクの着用、うがい、掃除や洗濯など)となります。
とくに杉花粉症は2から3月にピークを迎えますが、1月から内服治療を開始しておくほうがピーク時の症状の軽減や抗アレルギー薬よりもさらに強いステロイド配合薬の使用頻度も減るということが証明されております。


 

花粉症・アレルギー性鼻炎、結膜炎について
花粉症・アレルギー性鼻炎、結膜炎について

アレルギー性鼻炎とは、鼻の中に侵入してきたスギ花粉などの抗原をいかにして排出あるいはさらなる侵入を防御するための生体反応でありここにI型アレルギーが関与しています。この症状が一年を通じて出てくる場合は原因としてはダニやハウスダストなどが多く、季節性があれば花粉などが考えられます。最近はペットの飼育による症状も増えてきています。 花粉の飛散時期としては、

2月から4月がスギ
4月から5月がヒノキ
5月から6月がイネ科(カモガヤ)
8月から10月がブタクサ

です。地方によりいくらかのずれはあります。
三つの症状としてはくしゃみ、鼻汁、鼻閉であり、1週間以上継続したら感染よりも本症を疑います。また同時に眼のかゆみ、充血も伴えばアレルギー性結膜炎も併発しています。季節限定で起こる咳、咽頭喉頭違和感、のどのかゆみも花粉症の症状であることがあります。

鼻内所見としては通年性鼻炎では下鼻甲介が蒼白、腫脹しており、花粉症では飛散期に下鼻甲介が発赤、腫脹し、ときに出血を伴うことがあります。



■診断
1)鼻汁好酸球陽性
2)誘発テスト陽性
3)血清中抗原特異的IgEか皮内テスト陽性



血液中の各種アレルゲンに対するIgEの測定により何に対してのアレルギーかを把握するために各種の花粉やハウスダスト、ダニ、ペットがいればイヌ、ネコあるいはハムスターなどを追加します。
くしゃみ、鼻汁、鼻閉の症状をもち、上記 
1)2)3)のうち2項目で陽性であればアレルギー性鼻炎と診断します。


■治療
◆通年性では最低限の治療
II世代抗ヒスタミン薬(内服および点鼻)が基本となりますが、鼻閉型(鼻が詰まっているタイプ)では抗ロイコトリエン薬というアレルギー薬が使われます。また積極的にステロイド点鼻薬を使用します。

◆季節性では予防と積極的な治療(スギ花粉症なら1月中旬には受診しましょう)
花粉症は抗原回避(めがね、マスク)が大原則でありもっとも効果あります。II世代抗ヒスタミン薬、鼻閉型では抗ロイコトリエン薬を使用し、積極的にステロイド点鼻薬使用します。またそれでも症状がひどい場合には、内服ステロイドを1週間の連続使用あるいは頓用で使用します。

これまでにも抗原特異的免疫療法として皮下注射を中心とした減感作療法がおこなわれてきましたがその効果は50%程度でありまた効果の程度も上記の内服や局所点鼻薬によるものに劣るといわれます。その結果満足度としては30%程度であり、注射で痛みを伴い長期間かかるためあまり行われなくなっています。ただ最近では舌下免疫療法というこれに代わる方法が欧米ではすでに行われており、日本でも施設を限定して試験を実施中です。これ以外にもレーザー治療やトリクロール酢酸を使用した化学剤による手術や、入院にて行う粘膜下下鼻甲介骨切除術、選択的神経切断術などがあります。これらの治療は専門施設へのご紹介となります。

アレルギー性鼻炎と鑑別を要する疾患は血管運動性鼻炎や好酸球増多性鼻炎があります。いずれも鼻過敏症といい14日のうち最低5日以上の頻度で1日1時間以上症状を認める場合に診断します。また鼻閉のみが3か月持続する方などは一度耳鼻科にての鼻内診断が必要となりますのでご紹介いたします。

アレルギー性鼻炎のうち通年性アレルギー性鼻炎の方は幼少時に喘息やアトピー性皮膚炎の既往のある方が多いといわれます。またご両親のどちらかにアレルギー性鼻炎があれば子供でもその症状を受け継ぐ可能性は高いといわれます。特に花粉症の治療(季節性アレルギー性鼻炎の治療)はその季節が始まる前2週間くらいから治療を開始することが大切でこれによりその季節での症状をかなり軽減できます。スギ花粉の季節であれば1月の中旬あたりに受診していただき治療を開始していただくのがお勧めです。また喘息を合併している方もその時期に咳症状や呼吸苦症状が悪化することも予想されますので合わせて注意深く観察していくことが大切です。
またしばしば同時期に認めるアレルギー性結膜炎も鼻粘膜と同様のI型アレルギーが結膜にて起きており、点眼薬を中心として治療が必要です。抗アレルギー薬(メディエーター遊離抑制薬やH1受容体拮抗薬)さらにかゆみなど強い例では非ステロイド性消炎鎮痛剤やステロイド点眼薬などが使用されます。また鼻炎と同様に抗アレルギー薬は症状の出る季節の少し前から点眼開始するのがより有効であるとの報告もあります。合わせてご相談ください。




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