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高血圧
血圧が高いことは良くないことですか?
高血圧が続くとその高い圧力に見合うように動脈の壁が厚くなり、やがて血液の流れる内腔が狭くなります。するとさらに厚くて狭い血管を血液が通るため血圧はより上昇します。このような悪循環で高血圧は進展していきます。ある程度の血圧を保つことは必要で過度に高い状態は出血の危険があります。また高めの血圧が持続すると動脈硬化は進展し先の合併症を引き起こしてしまいます。
塩分が多いせいでしょうか?
高血圧の一つの原因としてとても重要なものに塩分の過剰摂取があります。日本人の塩分摂取量は1日で12g程度でありこれは欧米人の1.5から2倍の摂取量にあたります。日本食には塩分の多い食事が多いことももちろんですが加工食品、外食生活も最近では誘因となっています。適切な塩分量の目標は1日で6gといわれています。
血圧とは?(上と下の2つの数字の意味)
高いほうが収縮期血圧、低いほうが拡張期血圧です。心臓はそのほとんどが筋肉でできているポンプであり収縮と拡張を繰り返します。この収縮したときが一番高い血圧で収縮期血圧、拡張して肺から血液を取り込むときが一番低い血圧で拡張期血圧にあたります。
高血圧の基準は?
正常血圧は収縮期が130mmHg未満、拡張期が85mmHg未満です。高血圧とはこれ以上を言いますが、年齢や基礎疾患によりその降圧目標値が異なります。
65歳以上の高齢者では140/90mmHg未満
それより若年者では130/85mmHg未満
糖尿病や腎障害を伴う患者さんでは130/80mmHg未満が目標です。
さらに個々の患者さんの持つリスクにより階層化し、血圧の高さと危険因子の有無で治療計画をしていきます。
軽症高血圧 |
中等症高血圧 |
重症高血圧 |
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危険因子無し | 低リスク | 中リスク | 高リスク |
糖尿病以外に 2個以内の危険因子あり |
中リスク | 中リスク | 高リスク |
糖尿病、臓器障害、心血管病3個以上 の危険因子のいずれかがある |
高リスク | 高リスク | 高リスク |
心血管疾患の危険因子: 高血圧、喫煙、糖尿病、脂質代謝異常、肥満、尿中微量アルブミン、高齢(男性65歳、女性60歳以上)、若年発症の心血管病の家族歴を有する
ここでいう臓器障害、心血管病は以下のものをいいます
脳:脳出血、脳梗塞、無症候性脳血管障害、一過性脳虚血発作、認知機能障害
心臓:左室肥大、狭心症、心筋梗塞、心不全
血管系:動脈硬化症プラーク、頸動脈内膜-中膜厚>0.9mm、大動脈解離、閉塞性動脈硬化症
腎臓:たんぱく尿、腎障害、腎不全、血清クレアチニン値 男性1.3mg/dl、女性1.2mg/dl以上
眼:高血圧性網膜症
これらのリスクに合わせて降圧治療を計画していきます。糖尿病や慢性腎疾患などあればあまり血圧は高くなくても積極的な降圧治療を行いますし高リスクであればただちに降圧治療を開始していきます。各種降圧薬(大きく分けて6種類あり使い分けてあるいは組み合わせていきます)。
実際の治療ではこれらのことを参考にしながら、患者さん一人一人の状態に合わせて治療を計画し実行していきます。また高血圧以外の疾患、高脂血症、糖尿病、高尿酸血症や睡眠時無呼吸症候群そして肥満などいくつかの疾患を併発しておられることが多く、総合判断していくことがとても大切です。