高血圧・高脂血症の方への食事療法

高血圧・高脂血症の方への食事療法

まずはカロリーの適正化を図ることです!

一日に食事から摂るカロリーの目安
標準体重 = {身長(m)×身長(m)}× 22
適正エネルギー摂取量=標準体重 × 25~30kcal(身体活動量により異なる)




食事療法Q&A
食事療法Q&A

Q1)高血圧と診断されたらまず何に気をつけたらよいですか?
A1)減塩!! 高血圧と診断された方は1日塩分相当量は6g未満にします。

ナトリウムは血管の収縮性を高め、血管の抵抗性を大きくし、血圧は上昇させます。また、ナトリウムを多く摂取すると血液量が増え、血圧は上昇します。
食塩=塩化ナトリウム(塩素とナトリウムが結合したもの)であるので高血圧の原因の一つは食塩の摂り過ぎだけではなくナトリウムの摂り過ぎによるものも考えられます。


食塩相当量 = ナトリウム(g)× 2.54

食事療法
味噌汁・スープ・すまし汁などはおわん1杯で約2gの塩分が含まれています。汁物は1日1杯までとし、具沢山にするなどの工夫が必要です。また、麺類にはうどんやそばで約6~8g。ラーメンで7~8gの塩分が含まれています。 また、糖質を摂りすぎると高血圧に有害な肥満につながるため、糖質(炭水化物)は総エネルギーの55~60%程度が理想です。砂糖の割合はできるだけ減らし、でんぷん質、繊維質の割合を多くします。 料理のもうひとつの工夫は薄味にして酸味は香辛料・香味料などを利用すると良いでしょう。


Q2)高血圧に対し摂取すると良いといわれている食べ物はありますか?
A2)果物・野菜・牛乳などを摂取します。

野菜や果物・芋類などに多く含まれているカリウムは、ナトリウムを体外に排出して血圧の上昇を防ぐ働きがあります。食物繊維にもナトリウムを体外に排出する働きがあります。また、カルシウムやマグネシウムには血圧を下げる作用があると言われています。両方を含む牛乳を1日にコップ1杯~1杯半は摂取しましょう。タンパク質不足は高血圧の進行を助長させることになりますので卵・豆腐・牛乳を積極的に摂るよう心がけてください。成人の場合、男性では70g、女性では60gのタンパク質が必要と言われています。

Q3)高脂血症と診断されたらまず何に気をつけたらよいですか?
A3)コレステロールの多い食品や動物性脂肪を控えめにします。

コレステロールは体内で細胞膜やホルモンの原料となる非常に大切なものですが、摂りすぎると血中のコレステロールを増加させ、動脈硬化を促進します。コレステロールは1日300mg以下に抑えましょう。
【コレステロールを多く含む食品例】

霜降りの牛肉・鶏卵・レバー・牛・いくらなどの魚卵・たらこ・うなぎ・ししゃも・乳製品(チーズ・バター・生クリーム) など

脂肪の成分には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。飽和脂肪酸は動物性の脂に多く含まれ、コレステロールを増やす働きをします。不飽和脂肪酸は植物性の油や魚の脂に多く含まれコレステロールを減らす働きがあります。動物性脂肪の多い食品は控えましょう。油は植物油(サラダ油・オリーブ油・ベニバナ油)を少しずつ使うと良いでしょう。

Q4)コレステロールに対し摂取すると良いといわれている食べ物はありますか?
A4)野菜・海草・きのこ・青魚・大豆製品などの食物繊維を摂取します。

食物繊維には悪玉コレステロール(LDL)を低下させて、善玉コレステロール(HDL)を増加させる働きがあります。またコレステロールそのものを体外に排出させる作用もあります。
ビタミンE・C・カロチンはコレステロールの酸化を防ぎ動脈硬化を進めにくくするので、果物は目安1日1個摂取すると良いでしょう。(食べすぎも糖分の摂りすぎにつながるので注意が必要)




当院を受診される食事療法が必要な患者さんに対し、一人一人の生活習慣に合わせ、上記内容に追加し、アドバイスを行っています。








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