喘息Q&A

喘息Q&A

Q:ステロイド薬は副作用が強いと聞きますが?

喘息に対する基本的な治療薬である吸入ステロイドは用法用量を守って使用していれば極めて安全であり、長期投与による全身性副作用は基本的に認められません。唯一問題となるのは口腔咽喉頭内カンジダ症(カビ菌)や声枯れなどの局所副作用です。これの予防のためにのどの奥までよくうがいをすることが大切です。また中等度の発作時には経口や点滴によるステロイド薬を短期間(1週間以内)充分量使用することも大切です。

Q:喘息は治りますか?

乳幼児のころは感染症による気管支炎を起こすことが多く、3歳までに約30%が喘息様症状を経験し、そのうちの60%が6歳ころまでに喘息様症状は消失したという報告があります。 小児喘息はその半分近くが成人になるまでに発作が起きなくなるといわれます。しかしそのように成人になって発作が起きなくなった後にも、喫煙、飲酒、生活習慣の変化、転居、就職、妊娠や出産、心理的ストレスなどを契機に再燃することもよく経験されます。 また成人の喘息はその10%程度が発作から解放されるといわれていますが、喘息治療を積極的に行ってきたこととこの寛解に関係があるといわれています。ここ10年の治療の進歩により今後さらに寛解にいたる患者が増える可能性があります。

Q:咳が長く続きますが・・・?

風邪を引いたあとに咳が長く続く、熱などの症状がないけど咳が一月近く続く、近くの医院で咳止めの薬をもらったけど少し良くなる程度でまたぶり返すなどはこの疾患の可能性があります。 咳喘息とは喘鳴や呼吸困難を伴わず咳のみが数週間以上持続する疾患で肺炎などの感染症や腫瘍などそのほかの慢性咳を来たす疾患を否定した上での診断となります。気道が種々の刺激に対して過敏となっており、気管支拡張薬が有効なのが特徴です。気管支拡張薬にて症状の改善があれば吸入ステロイドによる治療を併用するのが望ましいといわれています。咳喘息患者の30%が典型的喘息に移行するといわれています。 このほかに咳は逆流性食道炎や薬剤性(高血圧の薬ACE阻害剤など)や心理的ストレスにても起こることが言われています。 どのような原因で咳が出ているのかを的確に診断し治療に結びつけることが大切です。

Q:妊娠中や授乳中はどのように喘息の治療をうければいいですか?

妊娠中は喘息が良くなる人が30%、変わらない人が30%、そして悪化する人が30%といわれています。喘息の治療薬のほとんどが胎児への影響がきわめて少ない薬剤ですので、あかちゃんへの影響を心配して薬を減らしたり不十分な治療により発作を起こしてしますと低酸素状態を来たしたり、早産や流産の確率が上がることが言われていますので、安心してむしろ積極的に治療を受けていただく必要があります。唯一、抗アレルギー薬の臨床データがまだ少ないため慎重な使用が必要です。また授乳中も同様の治療方針となります。
ページ上部へ戻る